大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)2091 判決

主 文

本件再上告を棄却する。

理 由

弁護人小林直人の再上告趣意書は末尾に添えた別紙記載の通りであるが、論旨は、

原上告審が、略式命令、従つてその請求に基く略式手続の違憲を宣言しながら旧刑

訴法第五二五条の合憲性を認めたことは、当を失する。けだし

(1)旧刑訴法第七条の規定はすべて略式手続と運命を共にすべき規定であり、

同法第五二五条について言えば、同条は略式手続が法則として有効に存続している

こと、および検事から有効な略式命令の請求がされたことを前提とするものである。

(2)しかるに略式命令は違憲無効であり、従つて本件略式命令の請求も違憲無

効であるから、同法第五二五条は適用される余地がない。

というのである。

しかし略式命令、従つてその請求が違憲無効でないことは、当裁判所大法廷の判

例とするところであつて(昭和二三年(つ)第二号同年七月二九日決定)、今その

見解を改める理由を認め得ないととろ、論旨は旧刑訴法第七編略式手続規定無効論

を前提とする主張であつて、理由なきものと認める。なお論旨は、原上告審判決は

略式手続が違憲であることを断じながら云々と言つているが原判決は単に略式命令

および略式手続が違憲無効であるとしても第五二五条の適用を妨げない、と言つた

だけで必ずしも略式手続の無効を断言したものではないから前記の判例と何らの食

いちがいもないのである。たゞ本件の差戻を受ける第一審裁判所としては、略式命

令手続が違憲でないとの前提のもとにあらためて旧刑訴法第五二五条の適用の要否

を考慮すべきものであることを注意すべきであろう。(昭和二三年(れ)第八七一

号同年一二月一一日最高裁判所第二小法廷判決参照)要するに再上告論旨は理由が

ないから、旧刑訴法第四四六条および最高裁判所裁判事務処理規則第九条第四項に

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従い、主文の通り判決する。

以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。

検察官 安平政吉関与

昭和二四年七月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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